デジタルアンプを聴く

安くても十分に使えるのがデジタルアンプと認識しました。

薄型テレビの音が良くないとは、しばしば聞かれます。内蔵のアンプは、デジタルアンプで高性能と書かれていますが、今のテレビには、外付けのスピーカーは直接接続できません。必ずアンプが必要です。古いスピーカーが残っている方も多いのですが、適当なアンプが中々なくて(安くて高性能)相談されてもウォークマンに接続するとかパソコン用と言っているアンプ付きスピーカセットが一番手頃になっています。

最近ネット上に小型の安いアンプが出回っています。中身は、1ICチップ型デジタルアンプです。フル中国製と思われる物は、3千円から有ります。デジタルアンプは、10年以上前にソニーが高性能、高出力で売り出していましたが国産メーカーの安い物は、アナログアンプばかりです。それだけに中々安いデジタルアンプに手が出なかったし、デジタルアンプの技術的内容の理解もあまり出来ないままでしたが、実物を使う機会ができて回路を見ながらなんとなく判って来たつもりになりました。使われるICも国内で2千円以下で売っているいるものが多いようです。他の主な部品は、コンデンサーとコイルです。アンプの中を見て全て中国製ならば3千円でも納得できる位。国内のキットは、例えば硝子基板の両面式とか贅沢をしています。

要は、アナログをデジタル化して出力をL-CのLOWパスを通してスピーカーにつなぎます。電源は、+12V程度の1極です。高級アナログアンプの様な+とーの電源は不要です。構造上デジタルアンプは、スピーカーの片側をアースに接続できません。間違って左右のスピーカー回路が接触すると壊れる可能性があります。所謂、浮かせて使わなければなりません。この辺が、デジタルアンプ内蔵のテレビが外部スピーカーを取付けられない様にしている理由かもしれません。4Ωで左右20W+20Wも出ると言うので電源は、12Vで2A以上必要になります。

勿論、パワーアンプだけです。物によっては左右のバランス回路も有ります。3種類のスピーカーを用意して聞いてみました。面倒なのでインターネットラジオでアメリカからのクラシック番組等を暇に任せて聞き続けました。ほとんど発熱が有りません。クラスDと言う駆動で出力段がFETらしく理屈の上でも完全なONとOFF だけで発熱の可能性が非常に低いと言う事のようです。この値段でこの音と感心するくらい充分なパワーを感じます。これなら死んでるスピーカーをテレビにつないで楽しめます。

勿論、このICを作ったのは、アメリカの会社のようです。一度作ってしまえば量産効果で激安になるのがデジタルの世界。電源ですら今や所謂インバータ式の小型大容量が当たり前になって来ているようにIC化による低コスト高性能は、避けられない方向でしょう。実用上の問題が感じられないのですから安くても自信を持って使えます。プロテクター回路も着いているのですから燃える事も無いでしょう。死蔵しているスピーカーで音の世界を広げましょう。部品の劣化で音質の落ちているアナログアンプなどそれこそ重さで売って仕舞った方が良さそうです。

戻る